MOLSIS 創薬DXセミナー 2025

-低分子創薬研究の効率化を目指して:アプリケーションとデータ管理ソリューション-

創薬支援のためのソフトウェアやシステムをご紹介する「創薬DXセミナー」を開催いたします。 本年の創薬DXセミナーのテーマは、「低分子創薬」です。創薬モダリティーの多様化が進んでいる今日においてもなお、 低分子医薬品は、その承認件数および承認品目カテゴリーの割合の両方において、最も主要な創薬モダリティーということができます。

そこで、今回の創薬DXセミナーでは、理化学研究所の池田 和由先生をお招きして、最新の医薬品設計技術についてご講演いただきます。 また、弊社からは、創薬DXを支える、分子モデリングソフトウェア、化合物物性推算ソフトウェア、研究データ管理システム、 医薬品安全性情報データベースなど、研究開発の効率化を支援する製品について、その概要をご説明するとともに、ケーススタディなどをご紹介します。

創薬研究支援システムの最新情報をご提供いたしますので、是非とも多くの方のご参加をお待ち申し上げます。

~ライブデモンストレーション~
本セミナー終了後、ここで紹介するMOEBioSolveIT社製品BIOVIA COSMOlogic製品CDD VaultSafetySuite のデモを行います。実際のソフトウェアの画面をご覧いただきながら、各製品担当者がご説明いたしますので、 ソフトウェアの操作性や講演内で触れられなかった機能など、詳しく知りたいという方はぜひご参加ください。

日時

2025年2月27日 木曜日

開催形式

オンライン(Zoomウェビナー)

参加費

無料

プログラム

時間 タイトル 講演者
13:00-13:10 はじめに
13:10 - 13:40 データベースとAIの相互進化による医薬品設計の革新 理化学研究所
計算科学研究センター
池田 和由
13:40-14:10 計算化学者とメディシナルケミストのためのMOEの低分子創薬アプリケーションの紹介 株式会社モルシス
池上 貴史
14:10-14:40 infiniSeeとSeeSARによる超巨大ケミカルスペースからの
2Dおよび3Dベースのリガンドスクリーニング
株式会社モルシス
神谷 謙太朗
14:40-15:00 休憩
15:00-15:30 BIOVIA COSMOlogic製品のご紹介 株式会社モルシス
池田 博隆
15:30-16:00 CDD Vaultによる研究データ管理と低分子創薬における活用事例 株式会社モルシス
福田 智美
16:00-16:30 医薬品安全性データベースと活用事例 株式会社モルシス
清良 尚史
16:30-16:40 閉会のあいさつ
16:40-17:40 ライブデモンストレーション

データベースとAIの相互進化による医薬品設計の革新

池田 和由 (理化学研究所)

医薬品設計は、データベースとAI技術の相互進化により急速な発展を遂げている。 AIは分子設計や薬効予測、構造生成といった分野で新たな可能性を切り開いており、 特にAlphaFoldを用いたタンパク質構造予測が創薬研究の効率化に大きく貢献している。 本発表者は、2010年前後のChEMBLやPubChemといった創薬データベースの登場以来、 データ駆動型創薬の進展を目の当たりにしてきた。そして、今後はこれまで「創薬困難」 とされていたターゲットへの挑戦が、いよいよ現実味を帯びつつあると感じている。 本発表では、AI創薬が第二フェーズを迎えたとされる今、生成AIの今後の役割や データベースの価値の再評価と課題、さらにはモダリティごとのAI技術の実用化の現状、 そして産業利用における課題について、最新の研究成果や取り組みを交えながら議論する。

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計算化学者とメディシナルケミストのためのMOEの低分子創薬アプリケーションの紹介

池上 貴史 (株式会社モルシス)

創薬研究のDMTA (Design-Make-Test-Analyze) サイクルのDXの推進において、 統合計算化学システムMOE (Molecular Operating Environment) は、 計算化学者とメディシナルケミストが様々な目的で使用可能な低分子創薬向けの 計算化学アプリケーションを統合し、次のような機能で、設計(Design)、合成(Make)、 解析(Analyze)の各過程の効率化を支援します。

  • 化合物の構造と活性との関係(SAR)の理解
    標的タンパク質と低分子との相互作用を可視化し、SAR解析により化合物を最適化します。
  • バーチャルスクリーニングによる候補化合物の選定
    化合物ライブラリーから受容体構造ベースあるいはリガンド構造ベースの手法により候補化合物を効率的に選定します。
  • リード化合物の構造最適化
    活性、物性、毒性など複数のパラメーターを最適化しながら、より効果的かつ安全な化合物を設計します。
  • 新規分子の設計支援
    フラグメントの付加/置換/変換、あるいは、デノボ設計により新規IP分子を構築します。
  • 合成研究支援
    合成可能な化合物ライブラリーの設計、分光スペクトル解析、化学反応解析により合成研究を効率化します。

また、機械学習によるアプローチを採用することで、それらの随所を効率化することもできます。 本セッションでは、低分子創薬のためのMOEのアプリケーションをまとめ、活用事例とあわせて紹介します。

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infiniSeeとSeeSARによる超巨大ケミカルスペースからの2Dおよび3Dベースのリガンドスクリーニング

神谷 謙太朗 (株式会社モルシス)

様々な分子構造の集合をケミカルスペースと呼び、分子量500以下の低分子に限定してもその数は1060構造に 及ぶと言われています。近年の計算技術の発展により、億単位のケミカルスペースから高活性化合物の取得に 成功した事例が多く報告されており、巨大ケミカルスペースからのスクリーニング手法に関心が寄せられています。 BioSolveIT社が開発したinfiniSeeとSeeSARによれば、数百億~数兆の超巨大ケミカルスペースからの2Dおよび 3Dベースのバーチャルスクリーニングを実行することができます。本セッションでは、これら2製品について 超巨大ケミカルスペースからのリガンドスクリーニングに焦点を当てて紹介します。

  • infiniSee
    infiniSeeは、ケミカルスペース高速探索ツールで、超巨大ケミカルスペースからクエリー化合物と 類似した分子や共通の部分構造を持つ分子を高速に探索できます。業務で使用しているようなラップ トップPCであっても数百億のケミカルスペースから数秒~数分程度で結果を得ることができます。
  • SeeSAR
    SeeSARは、受容体ポケット中で新規リガンドを設計できるSBDD統合ツールです。最近、Chemical Space Docking™ 機能が追加され、超巨大ケミカルスペースからの受容体構造に基づくバーチャルスクリーニングができるようになりました。

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BIOVIA COSMOlogic製品のご紹介

池田 博隆 (株式会社モルシス)

ダッソー・システムズ社製BIOVIA COSMOlogic製品は、熱力学物性推算ソフトウェアCOSMOthermと 量子化学計算ソフトウェアBIOVIA TURBOMOLEを中心とした化学・化学工学研究向けの製品群です。 BIOVIA COSMOthermは、主に化学分野の研究に使用されていますが、溶解度や分配係数など医薬品開発に おいても重要となる物性値の推算が行えますので、創薬・製剤研究での活用が期待されています。 BIOVIA COSMOthermで使用する物性推算法COSMO-RS法は、量子化学計算で得られる分子の表面電荷情報から 溶液中の化合物の化学ポテンシャルを高速に推算する方法です。分子動力学シミュレーションなど他の 計算方法に比べて、短時間で精度良く化学ポテンシャルを算出できます。そして、正確な化学ポテンシャルから 様々な平衡熱力学物性の予測が可能です。講演では、COSMO-RS法、ならびに製品の使用事例を紹介します。 使用事例としては、基本的な物性値の気液・液液・固液平衡予測を始め、ミセル・分子膜などの自己組織化構造関連の 物性予測、および共結晶スクリーニングについて紹介します。

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CDD Vaultによる研究データ管理と低分子創薬における活用事例

福田 智美 (株式会社モルシス)

創薬研究は所属・所在地・専門分野などが異なる多数の研究者が関与し、各研究者から日々多種多様な 膨大なデータが生成されます。創薬研究を効率的に推進するためには、これら膨大なデータを集約、 整理して、検索可能なデータベースとして構成し、組織内外の共同研究者が素早く適切に必要な情報に アクセスできる環境を構築することが望まれます。
米Collaborative Drug Discovery(CDD)社が提供しているCDD Vaultは、創薬研究データの管理、 共有、および解析のためのクラウド型プラットフォームです。CDD Vaultは、低分子化合物をはじめとする サンプル情報とアッセイ情報の管理、およびデータの可視化ツールの中核機能と、サンプルの在庫管理、 実験を記録する電子実験ノート、およびAPIなどの追加機能から構成され、これらを単一のプラットフォームで 利用できます。複数拠点に分散しているバイオ・化学・分析などさまざまな分野の研究者間のコラボレーションを 距離や分野の壁を越えて促進し、更に組織外の共同研究者との安全なデータ共有を支援します。 また、APIを介してMOEなどの計算化学ツールやKNIMEなどのワークフローツールの他、AIや機械学習など さまざまなサードパーティー製品と連携することもできます。
登録データはプロジェクトごとに管理され、プロジェクトメンバーのみがアクセス可能です。CDD Vaultでは、 研究における最重要資産である知的財産を、紛失や漏洩から保護しながら有効活用できます。 本セッションではCDD Vaultの概要とその活用事例について紹介します。

CDDVault

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医薬品安全性データベースと活用事例

清良 尚史 (株式会社モルシス)

薬物有害事象の問題は、医薬品の開発中止の最も多い理由の1つであるため、開発のできるだけ早い段階でこれを予測し、 リスクを回避することは重要です。医薬品の毒性・安全性情報は、開発段階では、安全性薬理試験、非臨床試験、 および臨床試験情報があり、また、市販後では有害事象自発報告があります。これらの情報は、互いに関連付けることで、 例えば、市販後に検出された特定の安全性アラートについて、安全性薬理試験における関連するタンパク質との相互作用や、 注意すべき非臨床毒性などの特徴づけを行うことにより、薬物有害事象のリスク回避に活用できる可能性があります。
SafetySuiteは、医薬品の毒性・安全性に関連するデータを、安全性薬理試験、非臨床試験、臨床試験、有害事象自発報告など、 開発段階から市販後までの様々な情報源から収集し、キュレーターが精査した上で提供する、安全性知識ベースプラットフォームです。 薬物有害事象、医薬品、ターゲットタンパク質、疾患のそれぞれの情報が互いに関連付けられており、安全性シグナル検出、 トランスレーショナル・セーフティ解析、医薬品比較解析、部分集団解析などの解析ツールとともに提供されます。
本セッションでは、SafetySuiteの概要をご説明したうえで、薬物有害事象の早期のシグナル検出と予測、薬物有害事象に 対して脆弱なグループの特定など、本プラットフォームの活用事例についてご紹介します。

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ご参加登録 

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